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米FDA 顎下脂肪治療薬Kybellaを承認

公開日時 2015/05/13 03:50

米食品医薬品局(FDA)は4月29日、顎下脂肪治療薬Kybella(一般名:デオキシコール酸)を承認した。適応は、成人における中等度から重度の顎下脂肪の減少。顎下以外の身体の脂肪減少については未承認であり使用を推奨されていない。


同剤は、胆汁酸の一種で、注射により脂肪細胞に入ると脂肪細胞の細胞膜を破壊する、細胞傷害性を持つ。身体部分、仮に誤って皮膚に注射した場合は、皮膚細胞を破壊するので注意が必要になる。


顎下脂肪が増えることで、いわゆる「二重あご」となり重々しい印象や年配者にみえるなど顔貌の見た目を悪くするが、その改善法は、従来は外科手術のみだった。今回、初の同疾患に対する初の薬剤が承認された。


同剤の安全性および有効性は、合計1022例を対象とした2本のプラセボ対照無作為化割り付け臨床試験で検証された。試験結果では、顎下脂肪減少がKybella投与群ではプラセボ群に比べ、より多く観察された。


重篤な副作用は、顔面筋衰弱や嚥下困難を起こす顎神経の損傷が報告されている。主な副作用は、注射部位の腫脹、あざ、疼痛、発赤など。


同剤は、米Kythera Biopharmaceuticals(本社:カリフォルニア州ウェストレイクビレッジ)が製造する。


Kythera BiopharmaceuticalsのKeith Leonard社長兼CEOは、「Kybellaによって、医療者は患者に合わせ、顎を改善する治療目的を持った、臨床的に証明された治療が適用できるようになった。特に重要なことは、同剤が患者の高い満足度を得ていることだ」と同剤を高く評価した。


同剤の臨床試験担当医のDerek H Jones博士(カリフォルニア大学ロスアンジェルス校皮膚科准教授)は、皮膚科臨床医として多数の患者が顎下脂肪によよる顔の変貌に悩んでいるとの実情を説明した。その上で、「臨床試験の担当医として、私の患者に顎下脂肪減少に手術以外の治療選択肢を提供できたことにわくわくした」と語り、同剤への期待感を示した。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のAmy G Egan医薬品評価第三部長は、「Kybellaによる治療は、ライセンスを持つ医療者によって施されなければならず、治療前に同剤のリスクを十分に理解しなければならない。同剤が顎下の脂肪減少の治療のみに承認され、他の部分については安全性も有効性も未知であることを認識することが重要である」と医療者および患者へ注意を喚起した。

 

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