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厚労省 きょうの中医協に「妊婦加算」見直しで論点提示 納得感ある提供体制構築へ

公開日時 2019/04/10 03:52

今年1月から凍結された初再診料等の妊婦加算について厚生労働省は、きょう4月10日の中医協総会に見直しの論点を提示する。この問題は医療機関を受診した妊婦のTwitterなどSNSに端を発し、政府の少子化対策とも逆行するとして与党・自民党を巻き込んで課題が表面化。昨年末に厚労省も妊婦加算の凍結に応じたが、その際、“妊婦本人が納得感のある医療提供体制”の構築について引き続き検討することを約束していた。厚労省は、精神疾患などの「外来医療での対応が中心となる基礎疾患をもつ妊婦等に対する支援」に対して手厚い報酬を敷く形を提案する。この日の中医協総会は、周産期医療のほか、乳幼児期から学童期・思春期を議論にあげ、第1ラウンドの議論を行う。2020年度診療報酬改定に向けた議論がいよいよ本格的にスタートする。

◎SNSの拡散で社会問題化

妊婦加算は2018年度診療報酬改定で新設された点数。妊婦が医療機関を受診した際に、コンタクトレンズへの処方で点数の上乗せが行われているなどが明るみとなり、これは“妊婦税だ”と揶揄する声がSNSを通じて拡散される事態に発展した。昨年12月には、自民党厚生労働部会の小泉進次郎部会長が「妊婦さんに自己負担を発生させることは容認できないというのが部会の総意だ」と述べるなど、国会を巻き込んだ国民的な議論に発展していた。

◎点数新設の背景にはハイリスク妊婦の増加が

妊婦加算を18年度改定で新設した背景には、初産年齢が高齢化するなかで、基礎疾患や精神疾患などを合併する、ハイリスク妊婦が増加し、周産期の外来医療を充実する必要性が高まってきたことがある。妊婦のたらい回しなどをきっかけに、心疾患などを合併するいわゆる“ハイリスク”患者への対応の必要性が指摘され、2008年度改定では「ハイリスク妊婦加算」が創設。その後も改定を通じ、入院医療を中心に医療提供体制の充実を図ってきた。ハイリスク妊婦・新生児に対応する、総合周産期母子医療センタ―を頂点とした周産期医療の体制整備も進めてきた。

一方で、婦人科・参加を標榜していても実際に分娩を取り扱う医療機関は減少傾向にあり、低リスクの妊婦を受け入れる裾野を広げることも求められている。さらに、高齢出産が増加するなかで、子宮疾患など妊娠していなくても発症する“偶発合併症”は増加傾向にある。同省の調査によると、偶発合併症は全妊産婦の32.2%を占め、この増加は高齢化に依存しているという。特に精神疾患への対応は喫緊の課題と言える。

◎薬剤選択にも配慮した診療が求められる

こうしたなかで、妊婦加算は胎児への影響に注意して薬を選択するなど、妊娠の継続や胎児に配慮した診療が必要であることや、尿路感染症や虫垂炎など妊婦で高頻度の合併症や診断が困難な疾患を念頭に置いて診療する必要があるなどの特性を踏まえて新設された経緯がある。18年度改定では、妊婦加算に加え、精神疾患を合併したハイリスク妊婦に対する産科、精神科、自治体の多職種が外来医療で連携した場合に評価する「ハイリスク妊産婦連携指導料」なども新設している。

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