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薬食審・第二部会 中外製薬のNTRK融合遺伝子陽性がん治療薬の承認了承 がん種問わず

公開日時 2019/05/31 03:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は5月30日、中外製薬がNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形がんの治療薬として承認申請したロズリートレクなど新薬6製品を審議し、いずれも承認することを了承した。 非小細胞肺がんや大腸がんなど主要ながんではNTRK融合遺伝子陽性は1%未満とされるが、治療法が限られる進行・再発がんに対する選択肢となる。また、臓器別ではなく個々の遺伝子変異に応じて治療を提供する抗がん剤となる。同省は、「先駆け審査指定制度」に指定し、開発を支援してきた。中外によると、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対する国際共同試験において、がん種を問わず有効性を示すと報告されている。6製品は6月中に承認される見込み。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
ロズリートレクカプセル100mg、同200mg(エヌトレクチニブ、中外製薬):「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。先駆け審査指定医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

NTRK融合遺伝子から作られる融合TRKにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられている。同剤はTRKの働きを阻害し、増殖を抑えるとされる。承認されれば、NTRK融合遺伝子を標的にする初の薬剤となる。使用にあたっては、中外のがん遺伝子パネル検査「FoundationOne CDx」を用い、適応を判断する。

NTRK融合遺伝子は、様々な固形がんで認められるが、非小細胞肺がんや結腸・直腸がんなどの患者数の多いがん種では1%未満とされる。他方、患者数の少ない神経内分泌腫瘍、唾液腺がんでは多く認められるという。海外では2019年3月時点で、エヌトレクチニブの承認はない。

承認されれば、がん種を問わない抗がん剤は2製品目になる。MSDの抗PD-1抗体キイトルーダは、特定のがん種を定めない「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」の適応を持つ。

アジマイシン点眼液1%(アジスロマイシン水和物、千寿製薬):結膜炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎を適応症とする新投与経路医薬品。再審査期間6年

同成分を含有する経口剤、注射剤はすでに承認されている。海外では1%含有点眼剤が米国、カナダ、韓国で承認済。

シムツーザ配合錠(ダルナビル エタノール付加物/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩、ヤンセンファーマ):「HIV-1感染症」を効能・効果とする新医療用配合剤。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

いずれも日本で既承認の有効成分で4成分を固定用量で配合する。1回1錠を1日1回食事中または食直後に投与。DRV(ダルナビル)とCOBI(コビシスタット)による固定用量配合錠はプレジコビックス配合錠として販売され、他の抗HIV薬と併用して使う。FTC(エムトリシタビン)とTAF(テノホビル アラフェナミド)による固定用量配合錠はデシコビ配合錠として販売され、他のクラスの抗HIV薬と併用して使用されている。欧米で承認済。

ビレーズトリエアロスフィア56吸入、同120吸入(ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物、アストラゼネカ):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用型吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。再審査期間6年。

ビベスピエアロスフィア28吸入、同120吸入(グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物、アストラゼネカ):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用型吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。再審査期間6年。

ビレーズトリエアロスフィアは、吸入ステロイド剤(ICS)、長時間作用性抗コリン剤(LAMA)、長時間作動型β2刺激剤(LABA)の3剤配合。2019年4月時点、海外承認はなく、欧米で審査中。ビベスピエアロスフィアはLAMA、LABAの2剤配合。欧米で承認済。

ヴァンフリタ錠17.7mg、同26.5mg(キザルチニブ塩酸塩、第一三共):「再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。

がんの増殖に関与するとされるFLT3の働きを阻害し、増殖を抑えると考えられている。急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄における白血病細胞の異常な増殖の結果、正常な血液細胞の産生が著しく阻害され、治療しないと短期間で致死的になる予後不良な血液疾患。FLT3-ITD変異はAML患者の約25%に認められるとされる。FLT3-ITD変異を有する患者は、変異のない患者と比べ、再発率が高く生存期間が短いとされている。海外での承認はない。

当初、同剤は審議予定品目になかったが、事務局による検討の結果、審議可能と判断され上程された。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

サイラムザ点滴静注液100mg、同500mg(ラムシルマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞がん」を効能・効果に追加する新効能医薬品。再審査期間は残余(2023年3月25日まで)。

ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体。すでに治癒切除不能な進行・再発の胃がん、結腸・直腸がんや、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療薬として承認されている。海外で肝細胞がんの承認はない。

リムパーザ錠100mg、同150mg(オラパリブ、アストラゼネカ):「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」を効能・効果に追加する新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は残余(2026年1月18日まで)。

PARP阻害剤。すでに白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法の適応症などで承認を取得している。海外では2019年2月時点で、今回追加する適応では米国など2か国で承認済。

<訂正>(5月31日午後1時50分)
サイラムザの製品名に誤りがありました。下線部を訂正しました。
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