診療現場の未来像に迫るオンライン診療を外来診療の代替機能、または診療のコミュニケ―ションツールのひとつと捉えると、その本質を見失いかねない。医療者と患者を常時結ぶオンライン環境の構築によって、ePRO（電子的患者報告アウトカム）の利活用や集積が容易になり、これまでの医療のあり様を一変させる可能性を秘めているからだ。患者の状態をタイムリーに把握して、より適切な医療が提供できるようになるだけではない。蓄積されたデータを評価することで新たなエビデンスの創出も可能となる。最終的には、患者の声や訴えから最適な医療をつくりあげる、真の「患者中心の医療」の幕開けがみえてくる。医療現場での活用例をもとに、ePROがもたらすインパクトを探った。（富井和司）患者の声やデータをモニタリングと問診で適時収集外来の通...