帝人 骨粗鬆症治療薬アバロパラチドを国内申請 新規のPTH製剤
公開日時 2020/05/28 04:49
帝人ファーマは5月27日、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を予定適応とするアバロパラチド酢酸塩(一般名、開発コード:ITM-058)について、日本で同日に承認申請したと発表した。新規の副甲状腺ホルモン(PTH)製剤で、骨形成を促進するタイプの薬剤となる。
今回の申請に用いたプラセボ対照、二重盲検無作為化群間比較によるフェーズ3試験では、アバロパラチドとして80μgを1日1回78週間皮下投与したデザインになっている。承認された場合の用法・用量が78週(約1年半)までの投与となるのか気になるところだが、同社広報部は本誌に、「非公表」と回答した。競合するPTH製剤のフォルテオは1日1回投与で、最大24か月まで使用可となっており、アバロパラチドの承認時の投与可能期間にも注目が集まりそうだ。
アバロパラチドは、細かく分類すると副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の誘導体で、Gタンパク質が結合した副甲状腺ホルモン1型受容体を選択的に刺激することで骨形成を促進する。同社は、「短期間で骨密度増加と骨折抑制効果が期待できる」とし、高カルシウム血症のリスク低減も期待できるとしている。同社は骨・関節領域に強みを持ち、ワンアルファやボナロンなどの骨粗鬆治療薬や超音波骨折治療器セーフスなどのソリューションを提供している。