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薬食審・第二部会 新薬3製品の承認了承 頭頸部がんの光免疫療法用薬など

公開日時 2020/09/07 04:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は9月4日、Web会議で新薬3製品の承認の可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には、世界初の頭頸部がんの光免疫療法に用いる抗体薬物複合体・アキャルックス点滴静注(セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)、楽天メディカルジャパン)が含まれる。アキャルックスは先駆け審査指定品目で条件付き早期承認制度対象品目。9月中に正式承認される見込み。

また、この日の部会では、先駆け審査指定品目の抗HER2抗体薬物複合体・エンハーツ(トラスツズマブデルクステカン(遺伝子組換え)、第一三共)の胃がん適応について部会報告された。報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。このため、その約1か月後に正式承認される。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

アキャルックス点滴静注250mg(セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)、楽天メディカルジャパン):「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。先駆け審査指定品目。条件付き早期承認制度対象品目。

EGFRを標的とするモノクローナル抗体のセツキシマブと、光感受性物質であるフタロシアニン誘導体(IR700NHSエステル)が結合した抗体薬物複合体(ADC)。光免疫療法に用いる薬剤。

通常、成人にはセツキシマブ サロタロカンナトリウムとして1日1回640mg/㎡(体表面積)を2時間以上かけて点滴静注する。点滴静注終了20~28時間後に、専用のレーザ照射システムを用いて波長690nmのレーザ光を病巣部位に照射する。これにより、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するEGFRに結合した同剤が励起され、腫瘍細胞を傷害する。専用のレーザ照射システム「BioBladeレーザシステム」は9月2日付で承認された。

同剤投与下におけるレーザ光照射(光免疫療法)は、ニボルマブやセツキシマブなどによる治療が行われている切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん患者が対象となる。

承認条件として、全例調査を実施することや、現在実施中の第3相試験における同療法の有効性と安全性について医療現場に適切に情報提供することなどが求められた。海外で同療法が承認されている国・地域はない。

ジセレカ錠100mg、同錠200mg(フィルゴチニブマレイン酸塩、ギリアド・サイエンシズ):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

選択的JAK(ヤヌスキナーゼ)1阻害薬。JAKという細胞内の酵素を抑えることで、関節リウマチで炎症や関節破壊を起こすサイトカインの働きを抑える。同剤は1日1回投与で用いる。承認されれば、関節リウマチに対する5剤目のJAK阻害薬となる。承認取得後はギリアドが製造販売承認を保有し、販売はエーザイが担当し、両社共同で情報提供・収集活動する。

海外では20年7月時点で承認されている国はない。

ゼジューラカプセル100mg(ニラパリブトシル酸塩水和物、武田薬品):「卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬。PARP阻害薬は、DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に対し、特異的に細胞死を誘導する新規機序の薬剤。PARP阻害薬はアストラゼネカのリムパーザ(オラパリブ)があり、ゼジューラは承認されれば2番手となる。

ただ、ゼジューラの方が適応は広い。「卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」の適応について、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性患者を対象とするが、ゼジューラは同遺伝子変異の発現有無にかかわらず使用できる。また、ゼジューラに持つ「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん」の適応はリムパーザにはない。リムパーザは1日2回経口投与で用いるが、ゼジューラは1日1回経口投与で用いる。

海外では20年5月時点で、「卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」の効能は米国のみで、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」は40の国・地域で、「相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん」は2か国で、それぞれ承認されている。

■オプジーボで4週間間隔投与 肝細胞がんに対するテセントリクとアバスチン併用療法

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ヤーボイ点滴静注液50mg(イピリムマブ(遺伝子組換え)、ブリストル・マイヤーズスクイブ):「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2024年6月20日まで)

ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体(免疫療法薬)。MSI-Highを有する結腸・直腸がんの効能を追加する。同剤とは異なる機序の免疫療法薬で抗PD-1抗体のオプジーボと併用して用いる。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):全適応症で用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(2021年10月16日まで)

ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体(免疫療法薬)。既承認のがん腫の全てについて、現在は1回240mgを2週間間隔投与する用法・用量が承認されているが、今回は1回480mgを4週間間隔投与できる用法・用量を追加する。また、既承認のMSI-Highを有する結腸・直腸がんの適応について今回、抗CTLA-4抗体のヤーボイとの併用療法を追加する。

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2026年1月18日まで)。

抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体(免疫療法薬)。今回、切除不能な進行・再発の肝細胞がんの効能を追加する。免疫療法薬として肝細胞がんの適応を持つのは初めて。抗VEGF抗体・アバスチン(ベバシズマブ(遺伝子組換え))と併用して用いる。海外では20年5月時点で、肝細胞がんの効能にて3か国で承認済。

アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同点滴静注用400mg/16mL(ベバシズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

抗VEGFヒト化モノクローナル抗体。今回、切除不能な進行・再発の肝細胞がんの効能を追加する。抗PD-L1抗体・テセントリク(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))と併用して用いる。海外では20年5月時点で、肝細胞がんの効能にて3か国で承認済。

エンハーツ点滴静注用100mg(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)、第一三共):「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。再審査期間は残余(2028年3月24日まで)。先駆け審査指定品目。

抗HER2抗体薬物複合体。トラスツズマブを含む2つ以上の化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がん患者(サードライン以降のHER2陽性胃がん患者)の治療選択肢となる。海外では20年5月時点で、今回追加する適応で承認されている国・地域はない。

トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(イキセキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2024年7月3日まで)

ヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤。炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害することで、IL-17Aの生理活性を阻害する。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の主な臨床症状は腰背部の疼痛、こわばり、腱付着部位炎、関節可動域の制限となる。同じクラスのコセンティクスが8月21日付で、今回のトルツの追加適応を全く同じ適応の承認を取得した。海外では今回の追加適応について、米国で20年5月、欧州で20年6月に承認されている。
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