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薬食審・第二部会 新薬4製品を審議、承認了承 JAK阻害薬リンヴォックの乾癬適応など

公開日時 2021/04/22 04:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は4月21日、新薬4製品の承認可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には、JAK阻害薬オルミエント錠(一般名:バリシチニブ)に中等症以上の新型コロナウイルスによる肺炎の適応を追加すること(21日夜に既報。記事はこちら)や、JAK阻害薬リンヴォック錠(ウパダシチニブ水和物)の関節症性乾癬の適応追加が含まれる。リンヴォックは乾癬の適応を持つ初のJAK阻害薬となる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

リンヴォック錠7.5mg、同15mg(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ):「既存治療で効果不十分な関節症性乾癬」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(令和10年1月22日まで)。

JAK阻害薬で、JAKファミリー(JAK1、JAK2、JAK3、Tyk2)のうち、主にJAK1を阻害する。JAK阻害薬として初の乾癬の適応を持つ薬剤となる。「既存治療で効果不十分な関節症性乾癬」の効能・効果に対する新規作用機序の低分子化合物として、初の経口治療薬となる。海外では関節症性乾癬に対して、21年1月に欧州で承認された。

オルミエント錠2mg、同錠4mg(バリシチニブ、日本イーライリリー):「SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(令和7年7月2日まで)。

選択的JAK1及びJAK2阻害薬。JAK依存性サイトカインは多くの炎症性及び自己免疫疾患の病因と関連していることが示唆されており、JAK阻害の作用により効果を発揮すると考えられている。現在は既存治療で効果不十分な関節リウマチやアトピー性皮膚炎を適応としている。

新型コロナによる肺炎の用法・用量は、「通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。なお、継続投与期間は14日間までとする」となった。経口投与できない患者に対しては、同剤を粉砕・懸濁して、胃瘻や経鼻移管などで使用する。

海外では21年2月時点で、SARS-CoV-2による感染症に係る効能・効果で承認されていないが、20年11月19日に米国で緊急使用許可を得ている。

レカルブリオ配合点滴静注用(レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム、MSD):「各種感染症」を効・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

レレバクタムはβ-ラクタマーゼ阻害薬で、新有効成分となる。イミペネムとシラスタチンは既承認の成分で、カルバペネム系抗生物質製剤・チエナム点滴静注用などとして販売されている。

レカルブリオの適応菌種は、同剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、緑膿菌、アシネトバクター属(ただし、カルバペネム系抗菌薬に耐性を示す菌株に限る)。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌やカルバペネム耐性緑膿菌などのカルバペネム耐性グラム陰性菌による感染症は予後不良であり、治療選択肢が限られている。

海外では21年2月時点で、30以上の国・地域で承認済。

ヤーボイ点滴静注液50mg(イピリムマブ(遺伝子組換え)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ):「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

がん免疫療法薬の抗CTLA-4抗体。今回、作用機序の異なる免疫療法薬の抗PD-1抗体オプジーボとの併用療法で、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫の1次治療を追加する。

海外では21年1月時点で、化学療法歴のない切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する両剤の併用療法は2か国で承認済。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は残余期間(令和10年8月20日まで)。

がん免疫療法薬で抗PD-1抗体。現在、悪性胸膜中皮腫の2次治療以降の適応を持つが、今回、抗CTLA-4抗体ヤーボイとの併用療法で悪性胸膜中皮腫の1次治療に使えるようにする。

ニンラーロカプセル2.3mg、同3mg、同4mg(イキサゾミブクエン酸塩エステル、武田薬品):「多発性骨髄腫における維持療法」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余期間(令和9年3月29日)。

経口プロテアソーム阻害薬。現在、「多発性骨髄腫における自家造血幹細胞移植後の維持療法」の効能を持つが、ここから「自家造血幹細胞移植後の」を削除し、自家造血幹細胞移植に関わらず、多発性骨髄腫における維持療法に使えるようにする。日本で多発性骨髄腫の維持療法の適応を持つ薬剤は今回が初めて。

海外では21年1月時点で、多発性骨髄腫の維持療法に係る効能・効果で承認されている国または地域はない。
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