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MRによる情報活動 開業医市場で面談戻る 病院市場はメール多用 MCI調べ

公開日時 2021/10/13 04:52
MRによる面談やメールによる情報提供活動で、開業医市場は「面談のみ」の情報活動が25社平均で69.6%にのぼることがわかった。開業医市場で最も「面談のみ」の割合が小さかったMSDでも、「面談のみ」の割合は59.9%と過半数を占めた。一方で、病院市場はコンテンツやPDF資材が付いたメールが多用されていることが確認された。

これは2021年4月に医師5000人を対象に実施した意識調査によるもの。コロナ禍で病院市場を中心に訪問規制が強化され、不要不急の訪問自粛が求められた時期だが、開業医市場は訪問や面談が回復傾向にあると言われていた。今回、病院市場は面談に代わる代替手段が多用され、開業医市場は面談が戻ってきたことが、市場データからも裏付けられたといえそうだ。

文末の「関連ファイル」に、「企業別 MRによるチャネル別リーチ状況」(全体、HP市場、GP市場)に関する資料を掲載しました。有料会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルの申込みはこちら

◎市場全体 「面談のみ」49.0% 「面談+メール」26.1% 「メールのみ」24.9%

調査は、医薬品マーケティング支援会社のエム・シー・アイ(以下、MCI)が行ったもの。調査対象は製薬企業サイトや医療関係企業サイトを閲覧している医師で、有効回答数は5129人(HPが3995人、GPが1134人)。調査時期は21年4月16日~23日。方法はインターネット調査。結果は、「医師版マルチメディア白書2021年夏号」としてまとめた。

「MR面談」または「MRメール」で定期的に医薬情報を取得している(=リーチがある)医師について、企業ごとの「MR面談のみ」「MR面談+MRメール」「MRメールのみ」の割合を算出した。面談はリモートを含む。メールは、「疾患、薬剤情報(コンテンツやPDF資材等)が掲載されているメール」と定義し、アポイント取得のためのメールは含まない。市場全体でリーチ率の高い上位25社を対象に分析した。

市場全体では、25社平均で「面談のみ」が49.0%、「面談+メール」が26.1%、「メールのみ」が24.9%――だった。前述の通り、病院市場と開業医市場で訪問規制などの環境が大きく異なるため、市場別にみてみる。

◎病院市場 記憶に残ったメール、上位に外資系ずらり エーザイと武田薬品がトップ10入り

病院市場は25社平均で「面談のみ」が38.5%、「面談+メール」が29.2%、「メールのみ」が32.3%――だった。企業別に、「面談のみ」の割合が小さい順にみると、1位はMSD(30.7%、回答医師数596人)、2位は日本イーライリリー(31.3%、587人)、3位タイはファイザー(33.1%、602人)とサノフィ(33.1%、372人)、5位はエーザイ(33.7%、549人)、6位はアストラゼネカ(34.3%、572人)、7位はノバルティス(36.0%、425人)、8位は中外製薬(36.3%、441人)、9位は武田薬品(37.5%、592人)、10位はバイエル薬品(37.6%、362人)――だった。

この「面談のみ」の割合が小さい企業ランキングは、言い換えると医師の記憶に残ったメールを多用した企業ランキングとも言える。医師にささったメールを多用した上位10社のうち、エーザイと武田薬品を除く8社が外資系企業だった。外資系が上位にずらりと並んだ理由として、新薬が多く、コンテンツのネタが豊富なことが考えられそうだ。

◎「メールのみ」が「面談+メール」より多く MSD、サノフィ、エーザイなどで10ポイント超の差

また、「面談のみ」の割合が小さい上位10社について、「メールのみ」と「面談+メール」のそれぞれの割合も見てみた。結果、10社のうちAZと中外製薬を除く8社は、「メールのみ」の割合の方が大きかった。特にMSD、サノフィ、エーザイの3社は、「メールのみ」の割合が「面談+メール」より10ポイント以上大きかった。

分析対象の25社で見ても、「メールのみ」の割合が「面談+メール」より大きかったのは16社あった。このうちマルホとEAファーマでは10ポイント以上の差がついていた。面談しづらい市場環境のため、メールが開封された後に面談でフォローアップすることの難しさがこの調査結果に表れたのかもしれない。

◎開業医市場 9割近くが「面談」含む情報活動に

開業医市場は25社平均で、「面談のみ」が69.6%、「面談+メール」が20.0%、「メールのみ」が10.4%――で、何かしらの「面談」が含まれる情報活動は計89.6%と9割近くにのぼった。開業医市場で面談がしやすくなったことが、この調査結果からも垣間見える。

「面談」が含まれる情報活動(「面談のみ」と「面談+メール」の合算)で、その割合が小さい順にみると、1位はサノフィ(82.5%、137人)、2位はファイザー(83.9%、286人)、3位はエーザイ(86.1%、202人)、4位は日本イーライリリー(86.3%、197人)、5位は中外製薬(86.8%、121人)、6位タイは大塚製薬(87.9%、256人)とMSD(87.9%、307人)、8位はアステラス製薬(88.4%、319人)、9位は小野薬品(88.6%、220人)、10位は武田薬品(88.9%)――となった。病院市場でメールを多用している企業が散見されるが、開業医市場では何かしらの面談を絡めた活動を展開していることがわかる。
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