自民党・医療委 23年度改定で基礎的医薬品や不採算品再算定への対応を 構造的な課題指摘する声も
公開日時 2022/12/05 04:50
自民党の社会保障制度調査会医療委員会は12月2日、2023年度薬価改定について厚労省から報告を受けた。出席議員からは、基礎的医薬品の拡充や不採算品再算定についての対応を求める声があがった。診療報酬改定のない年の薬価改定に否定的な声もあがったが、「薬価差がとれなくなったら、診療報酬も倒れる。平均ということはもっと取れない医療機関もある。地域医療を守る医療機関が倒れてしまう。医療崩壊が起こらないようよく考えることが必要だ」との声もあがった。毎年薬価改定の導入で乖離率が縮小傾向にあるなかで、薬価差益に財源を求める構造的な課題を指摘する声があがった。
◎田村委員長「このようなことを続けてどうなるか踏まえた対応を考えなければならない」
会議冒頭で、田村憲久委員長は、新薬創出等加算の見直しをはじめ、新薬・長期収載品・後発品すべての制度が見直されるなかで、「すべて非常に厳しい状況が続く中で中間年改定が始まってきており、薬価の落ちるスピードが速くなっている」と述べた。22年薬価本調査(9月取引分)の結果で平均乖離率が約7.0%と報告されたことを引き合いに、「乖離率は縮まってきていると思う。このようなことをずっと続けてどうなるかということを、我々としては色々考えながら対応を考えなければならない」と強調。「我が国において、新薬はなかなか上市されにくくなっていることや、欠品が増えてきているという問題もある。こういうことも考えながらどう対応していくかということが非常に大きな問題になってくると思う」と述べた。
出席議員からは、「国民負担の軽減とイノベーションを両立していくのが本来のあり方であり、政府も答弁しているが、実質的に国民負担軽減に寄りすぎているのではないか」、「エネルギー・物価高騰が非常に大きな問題となるなかで、この分野でも影響は大きい。それに向いたルールを考えないといけない」、「欠品なども起きているなかで、毎年改定が何を現場にもたらしたのか、政府が検証し、一つにまとめるべきだ」などの声があがったという。