ヤンセンファーマ FGFR阻害薬・エルダフィチニブ 尿路上皮がん対象に申請
公開日時 2023/11/22 04:47
ヤンセンファーマは11月20日、1日1回経口投与のFGFRチロシンキナーゼ阻害薬・エルダフィチニブを承認申請したと発表した。対象疾患は、「成人のFGFR3遺伝子変異又は融合遺伝子を有する、がん薬物療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」となる。
今回の申請は、日本及び海外で実施された第3相THOR試験のコホート1の結果に基づくもの。成人のFGFR3遺伝子変異又はFGFR3/2融合遺伝子を有する、がん薬物療法(PD-1もしくはPD-L1による治療)後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん患者を対象に、エルダフィチニブの有効性及び安全性を評価した。主要評価項目の全生存期間(OS)を達成し、予め規定された中間解析データカットオフ時点で、OS中央値は化学療法群が8カ月であったのに対し、エルダフィチニブ群は1年以上となった。また、エルダフィチニブ群は化学療法群に比べ、死亡リスクが36%低下していることも示された。
この中間解析結果は、エルダフィチニブによる治療が化学療法よりも優れているという事前に定義された基準を満たしたため、独立データ安全性モニタリング委員会は試験を中止し、化学療法に無作為に割り付けられた患者にエルダフィチニブへのクロスオーバーの機会を提供するよう勧告した。
同社のアマナス・シャーマ研究開発本部長は今回の申請にあたり、「エルダフィチニブはFGFR遺伝子変異を有する進行性の尿路上皮がんにおいて有望な結果を示しており、今回の申請は患者さんの予後改善に向けた重要な一歩となる」とコメントした。