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富士製薬・森田社長 バイオシミラーの市場浸透へ「メディカルの知見から戦略策定」 領域専任組織やMA部を設置

公開日時 2024/11/18 04:50
富士製薬の森田周平代表取締役社長は11月15日の2024年9月期決算説明会で、バイオシミラーの市場浸透に向けて、領域専任組織やメディカルアフェアーズ部を設置したと明らかにした。森田社長は「発売後の臨床データや使用経験を適切にお届けしていくことが販売拡大に大きく関わる。メディカルの知見から戦略を策定し、実行していきたい」と狙いを語った。

24年5月に上市したウステキヌマブBSの売上高は7500万円で、「基幹病院を中心に展開し、計画をはるかに上回る進捗だった」と振り返った。その上で、現状は「尋常性乾癬、乾癬性関節炎」を適応症としており、消化器領域の適応もある先発品に比べ「限定的な領域での活動にとどまっている」と説明。将来的な適応拡大も視野に入れており「現在はバイオシミラー後続品としての各病院での採用活動に専念する」とした。

バイオシミラーをめぐっては、国が後発品使用促進の副次目標として、「29 年度末までに、バイオシミラーが 80% 以上を占める成分数が全体の成分数の 60% 以上」を据えた。目標達成に向けて、販後情報を含めてバイオシミラーの有効性・安全性情報を公表する取組みを25年度から開始するなど環境整備も今後進むことが想定される。森田社長は、「試算中の段階でございますので明確にお答えすることはできない」とした上で、「追い風である一方、参入されるメーカーの数が増えるなど、色々な要素も考慮しながらバイオシミラー事業の成功に向けて手を打ってまいりたい」と述べた。

◎24年9月期業績 売上高12.8%増、営業利益0.6%増 

24年9月期の連結業績は売上高が前期比12.8%増の461億3800万円と過去最高だった。主力品の市場浸透に加え、不採算品再算定や新製品発売が売上高の増加に貢献。領域別では、女性医療領域が12.9%増の203億2700万円、急性期医療が11.4%増の171億3100万円、海外事業が21.5%増の42億1300万円だった。一方で新製品の販売体制強化に向けた先行投資など販管費がかさんだことで営業利益は0.6%増の38億8000万円だった。

25年9月期の業績予想では、9月に製造販売承認を取得した月経困難症治療薬・アリッサ配合錠などの新製品をはじめ、バイオシミラーなどの伸長に期待し、売上高は15.7%増の533億6000万円、営業利益は25.0%増の48億5000万円と掲げた。

また、10月に始まった長期収載品の選定療養については、対象となる先発品やジェネリック医薬品が少なく、いずれもすでに置き換えが進んでいるとしてプラス、マイナスともに「影響は極めて限定的」との見通しを示した。


【2024年9月期連結業績 (前期比) 25年9月期通期予想(前期比)】

売上高 461億3800万円(12.8%増) 533億6000万円(15.7%増)
営業利益 38億8000万円(0.6%増) 48億5000万円(25.0%増)
親会社所有者帰属純利益 61億4600万円(78.9%増) 33億8800万円(45.0%減)

【主要製品売上高(前年実績)通期予想、億円】
エフメノ 31.81(27.51)37
ウトロゲスタン 24.36(26.63)25
ドキシル  18.17(13.21)18
ファボワール  20.74(17.92)24
ラベルフィーユ  12.33(10.48)12
レボノルゲストレル  10.60(10.07)10
アリッサ ―(―)11
ウステキヌマブBS  0.75(―)3
フィルグラスチムBS  17.61(17.18)17
 
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