富士フイルム富山化学 mRNA医薬の初期開発治験薬の生産設備を増強 26年2月にサービス開始
公開日時 2025/07/07 04:50
富士フイルム富山化学は7月4日、富山市の富山研究開発センター内の治験薬製造施設に、脂質ナノ粒子(LNP)製剤を製造する無菌製剤製造設備を導入すると発表した。mRNA医薬などの初期開発治験薬の小規模かつ迅速な開発ニーズに対応する。導入する設備を活用してmRNA医薬などの無菌製剤の初期開発治験薬製造サービスを2026年2月より開始し、CDMO事業のサービス拡大を図る。
同社は、CDMO事業におけるプロセス研究・開発を行う富山研究開発センター内の既存の治験薬製造施設を増強する。富山第二工場の中規模製造施設に加え、研究所内に機動的に治験薬を製造できる設備を増強することで、顧客の非臨床から臨床段階へのスムーズな移行を支援し、mRNA医薬の開発スピードの向上に貢献したい考え。
mRNA医薬の研究開発は、感染症に対するワクチンのほか、がんワクチンや遺伝性疾患の治療薬など多様な分野で急速に進展している。研究成果をもとに早期に医薬品の創出につなげるためには、非臨床試験から臨床試験に至るプロセスにおいて、CMC(化学・製造・品質管理)開発や治験薬の製造を迅速に進め、開発スピードを高めることが求められている。