国内CMO/CDMO市場 毎年1ケタ台後半で成長 35年1兆720億円へ ADCなど新モダリティが牽引
公開日時 2026/07/21 04:50
CMO(医薬品製造受託機関)/CDMO(医薬品開発・製造受託機関)の国内市場が2030年に8700億円を超え、35年に1兆720億円になる――。このような市場予測を富士経済がまとめた。同社は30年まで毎年1ケタ台後半の成長率で市場拡大すると予測。この背景には、医薬品の研究開発・製造技術の高度化や、アウトソーシングを積極的に活用する製薬企業の水平分業体制の進展があり、特に低分子医薬品以外のモダリティが市場を大きく牽引すると分析している。
国内のCMO/CDMOビジネス市場は、右肩上がりに成長し、25年の6054億円が26年に6531億円(前年比7.9%増)、27年7043億円(同7.8%増)、28年7627億円(同8.3%増)、29年8221億円(同7.8%増)、30年8728億円(同6.2%増)――と推移すると予測した。調査最終年となる35年には、1兆720億円にまで拡大すると分析した。
◎抗体医薬・ADCなどバイオ分野 30年まで毎年2ケタ成長
モダリティ別にCMO/CDMOビジネス市場をみると、抗体医薬品/ワクチン/従来型バイオ医薬品では、30年まで毎年2ケタ成長し、25年の950億円が26年に1160億円(同22.1%増)、27年1400億円(同20.7%増)、28年1700億円(同21.4%増)、29年2000億円(同17.6%増)、30年2200億円(同10.0%増)――と推移し、35年には2700億円になると予測した。同社は、「成長ドライバーとして期待されるのが、バイオコンジュゲーション/抗体薬物複合体(ADC)」だとしている。
製薬企業はこれまで、自社製造していた製品の製造業務を委託していたが、現在は製造設備を保有せず、製造業務の委託を前提に医薬品の研究開発を進めるケースが増えている。一方、受託側は、競合他社との差別化もあって、製造業務のみの受託(CMO)から、開発業務から製造業務までの受託(CDMO)が増えている。また、大手CDMOや再生医療・細胞治療・遺伝子治療モダリティのCMO/CDMOでは、初期段階の研究開発業務(CRO)への進出も増えている。
こういった市場動向から同社は、「全体的な流れとして、開発のアーリーステージから関わり、製造までを提供するサービスが一般的になりつつあるが、製薬企業にとって重点製品となる場合は、自社製造に切替えるケースもみられる」と分析している。