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サノフィ 経口BTK阻害薬・リルザブルチニブ 免疫性血小板減少症を対象疾患に承認申請

公開日時 2025/10/06 04:49
サノフィは10月3日、経口BTK阻害薬・リルザブルチニブについて、免疫性血小板減少症(ITP)を対象疾患に承認申請したと発表した。ITP治療領域における最初のBTK阻害薬の国内申請で、同社は「ITP治療における初めてのBTK阻害薬となる可能性がある」としている。2022年12月に厚労省から希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査される。

リルザブルチニブは多面的な免疫調節を介してITPの病態に働きかけることを目指した共有結合型BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)阻害薬。サノフィの独自技術を応用することで標的とすべきBTKを選択的に阻害するという。BTKはB細胞、マクロファージ、自然免疫細胞などで発現し、様々な免疫介在性の病態形成過程や炎症経路において重要な役割を担っていると考えられている。

今回の申請は、日本人を含む国際共同第3相試験(LUNA3試験)の結果に基づく。主要評価項目の持続的な血小板反応が得られた成人ITP患者の割合は、リルザブルチニブ群が23.3%、プラセボ群が0%で、有意差が認められた。前治療歴(リツキシマブ、トロンボポエチン受容体作動薬等)のあるITP患者のサブグループでも、持続的な血小板反応が得られた患者の割合に有意差が認められたほか、リルザブルチニブ群は盲検投与期間の最初の12週間に血小板反応が得られた患者の割合が高いとの結果も得られた。

安全性は、リルザブルチニブ群における最も一般的な副作用(発生率≥10%)は、下痢、吐き気、頭痛、腹痛、COVID-19だった。

ITPは、免疫応答や全身性の炎症を引き起こす自然免疫や獲得免疫が関わる複合的な免疫調節異常を伴う疾患。血小板破壊の亢進および小板産生の低下による血小板数の減少(100,000/µL未満)を特徴とする。ITPは、皮下出血から、脳内出血などの生命を脅かす可能性がある出血まで、様々な部位の出血リスクがあるほか、治療に伴う動脈・静脈血栓症のリスクもある。血小板減少に加えて倦怠感、不安やうつ症状、認知機能の低下などQOLに影響を及ぼす症状がみられる。

免疫系の関与が明らかになった近年、「免疫性血小板減少症(ITP)」と呼ばれるようになった。以前は「特発性血小板減少性紫斑病」と呼ばれていた。日本のITP患者の総数は約2万人で、新たに毎年約3000人が罹患するとされる。
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