帝人ファーマ 副甲状腺機能低下症治療薬・ヨビパスを発売 24時間血中PTH濃度を生理学的範囲に維持
公開日時 2025/11/07 04:50
帝人ファーマは11月6日、副甲状腺機能低下症治療薬・ヨビパス皮下注(一般名:パロペグテリパラチド)を発売した。副甲状腺ホルモン(PTH)の徐放性プロドラッグ。1日1回皮下投与で、24時間にわたり血中PTH濃度を生理学的範囲に維持できる国内初の薬剤で、根本的な治療薬として期待されている。中医協資料によると、ピーク時10年後の市場予測は投与患者数1.2千人、販売金額129億円。
薬価は、168μg0.56mL1キット 57万1509円、294μg0.98mL1キット 58万4139円、420μg1.4mL1キット 59万6310円――。用法・用量は「通常、成人には、PTH(1-34)として1回18μgを開始用量とし、1日1回、皮下注射する。以後、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、1日1回6~60μgの範囲で適宜用量を調整して皮下投与するが、増量又は減量は3μgずつ行うこと」。
副甲状腺機能低下症は、体内のカルシウムとリン酸のバランスを調整するPTHの不足によって引き起こされる内分泌疾患。
現行の治療では、血中カルシウム濃度を維持するために活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤が使用されている。しかし、一部の患者では最適な血中カルシウム濃度の維持や症状のコントロールが困難な場合がある。また、これらの治療により、高カルシウム血症や高カルシウム尿症、腎石灰化、尿路結石、腎機能障害などを引き起こす可能性もある。
このような現行治療の問題を解決するため、血中のPTH濃度を生理的範囲で24時間にわたり維持できる新たな治療薬の開発が求められていた。