地域フォーミュラリ推進で第4期医療費適正化計画に追記 26年度中に都道府県に策定の場 社保審
公開日時 2026/02/13 05:29
社会保障審議会医療保険部会は2月12日、地域フォーミュラリ推進に向けて、国や都道府県の必要な取組みを第4期医療費適正化基本方針に追記することを了承した。2026年度中に各都道府県において地域フォーミュラリを策定に向けて検討する場を設けることを目的に据えた。これに向けた国や都道府県の取組みを明記。国は「全国の地域フォーミュラリを分析し参考となる薬効群の成分リストの作成・公表」などの取組みを行う。各都道府県は「医療関係者との合意形成促進、会議運営、必要な取組を推進する」ことを盛り込んだ。
厚労省によると、地域フォーミュラリは医療の質向上や医療費の適正化、薬局の在庫管理の適正化などのメリットがある。一方で、全国での策定件数は18件(策定中のものも含む)にとどまっており、普及が進んでいない状況がある。この理由として、地域での合意形成の難しさや、医師の処方制限につながるとの懸念などがあるとした。
このため、厚労省は第4期医療費適正化基本方針に国や都道府県の必要な取組を明記。国は、「生活習慣病薬等の後発医薬品の成分別使用割合データ等の都道府県への提供、保険者による地域フォーミュラリへの参画を促すインセンティブの設定、全国の地域フォーミュラリを分析し参考となる薬効群の成分リストの作成・公表をはじめとした必要な取組を推進する」と明記。これにより、「後発医薬品の数量ベースでの使用割合の地域差縮減や、有効性、安全性に加えて経済性を踏まえた先発医薬品を含む医薬品の推奨される選択順位の決定を進める」とした。都道府県には、「医療関係者との合意形成促進、会議運営、好事例の展開や都道府県域内の地域フォーミュラリの周知による理解促進、生活習慣病薬等の後発医薬品の成分別使用割合データ等の活用」などの必要な取組みを追記する。
◎都道府県内の候補地域を探索 対象地域で対象医薬品の選定
具体的な都道府県の検討の場としての例も示した。後発医薬品安心使用促進協議会や保険者協議会など、既存の会議体を活用して、都道府県の医師会・歯科医師会・薬剤師会(三師会)や行政、保険者らが集う「都道府県地域フォーミュラリ推進会議」を立上げ、データを踏まえて都道府県内の地域フォーミュラリ候補地域を探索し、地域の関係者に働きかけ・相談する。地域単位の会議における合意を基に、対象地域ごとに地域三師会らが参画する「地域フォーミュラリ検討準備委員会」で対象医薬品の選定をはじめとした地域フォーミュラリの具体的内容を策定・運営する絵も示した。
◎都道府県、地域共に十分な議論と関係者の理解を 成分指定を求める声も
城守国斗委員(日本医師会常任理事)は「地域フォーミュラに関しては、関係者の合意のもとに運用されると、様々なメリットがあることは、我々も十分に理解している」と述べた。そのうえで、「都道府県や地域それぞれで、十分な議論と関係者のご理解、合意があって実行するという段取りがなくてはならない」との考えを表明。「それを飛ばして拙速な対応をしたり、国の指示に基づいて、都道府県などが強制的に対応を行ったりすると、現場に大きな混乱を生じることにもなる」と指摘。地域フォーミュラリの先進的な事例である山形県酒田市を引き合いに、「一定の効果が得られた取組みを積み重ねていくことが極めて重要だ」と強調した。
内堀雅雄委員(全国知事会社会保障常任委員会委員長/福島県知事)の代理として出席した佐藤みゆき参考人は、「地域フォーミュラリは意義や効果などの理解が広まっておらず、現状の取組みに地域差がある。26年度中に各都道府県で地域フォーミュラリを策定する場を設けることは、実務上様々な困難を伴う高い目標」との認識を表明。丁寧な制度設計に加え、「専門的な知見に基づく技術的支援や、国による財政的支援をお願いする」と述べた。「都道府県をはじめとする行政機関の関与のあり方につきましては、慎重に検討していく必要がある」とも指摘した。
島弘志委員(日本病院会副会長)は「無価値医療や低価値医療をなくしていくという上でも、重要な取組みだと理解している」としたうえで、「特定業者の利益誘導にならないように基本的には成分指定という形で話を進めていただきたい」と述べた。
伊奈川秀和委員(国際医療福祉大学医療福祉学部教授)は、「なぜこの薬かということに関するエビデンスやプロセスもきちんと踏んでいくということが必要だ」と指摘した。