中外製薬 お茶の水女子大附属高校で「政策提言体験」授業 研究員がグローバルでの学位の重要性共有
公開日時 2026/06/19 04:49

中外製薬は6月18日、東京・お茶の水女子大学附属高校で、社会課題への解決策を考える「政策提言体験」の授業を実施した。日本の人口100万人当たりの博士号取得者数がアメリカやイギリス、ドイツなど諸外国と比べて半数以下にとどまる現状を踏まえ、高校生が博士人材の増加に向けた解決策を検討する。授業では同社の研究員2人が、博士号取得までの経験や、グローバル環境における学位の重要性について講演した。今後は7月2日に議論を行い、日本で博士人材を増やすための政策提言としてとりまとめる予定だ。
◎LCM部の川添明里氏さん 博士課程で得た経験 「ビジネス上の戦略立案に通じる能力」
授業は高校3年生120人を対象に実施。社会課題を自分ごととして捉え、自ら解決策を考えてもらう目的で企画された。同社スペシャリティライフサイクルマネジメント部の川添明里氏は、博士課程で得た経験を紹介。研究の基礎である「仮説を立てて証明方法を考えて実行する」プロセスは、ビジネスでの戦略立案の際にも通じる能力であることを説明した。
◎研究職の保井由佳里さん 社会人向けプログラムで働きながら博士号取得の経験を共有
また、研究本部創薬薬理第一研究部の保井由佳里氏は、筑波大学の社会人向けプログラムを活用し、働きながら博士号を取得した経験を共有した。海外の研究者と協働する場面では、博士号がなければテクニシャン(実験補助員)として扱われるケースがあるとし、グローバル環境における学位取得の意義を語った。
参加した生徒は、「自分の大学進学後のキャリアについて、大学院に進学することを明確に想像していなかったが、今回の話を聞いて、一人の社会人として働く中で、知識の広さや研究を通して得た経験を身につけていくべきだと感じた」と感想を述べた。別の生徒は、「今のタイミングではゴールとして大学受験しか見えていなかったが、その先でどのように人の役に立っていきたいのか考えるきっかけとなった」と話した。