新薬創出加算元年は卸決算最悪に 医薬品卸事業は大手2社赤字
公開日時 2011/06/29 00:00
サプライチェーンロジスティクス研究会保高英児●個別単価取引ほど遠く、早期妥結捨てるも価格低下止まらず●利益低迷構造突入で総赤字化必至、ローコストと多角化に活路?新薬創出元年の卸決算は、一昨年の薬価改定時の史上最悪決算を下回った。シェア争いによる価格低下の結果であり、メーカーの新薬創出加算獲得戦略も響いた。薬価改定の隔回ごとの4年に1回、利益喪失を繰り返すとのジンクスは破られ、薬価改定の都度利益を喪失する構造になった。そもそも流通改善は進んだのか、総価取引は個別取引に変わったのか。価格低下が続けば、1~2年内に全卸の赤字転落は必至だ。医薬品流通は八方破れの様相となった。災害対応力強化でも、MS付加価値力再生でも、卸機能充実への投資も欠かせない。そういう体力はいつまで残るのか。大手医卸事業の営業...