医療費と薬剤費を論ずる
公開日時 2015/10/31 00:00
ファルマ・マーケティング・サーベイ研究所所長世古主義夫過去3回の連載を通じて2030年までのGDPと社会保障費を予測してきた。今回は、これまでの分析を踏まえ製薬業界に直接関係のある医療費をより詳細に予測分析してみたい。日本の医療費が高いか安いかは評価の分かれるところだが、平均寿命世界一の83歳から見れば安いとの見方もでき、時間的には大成功である。しかし現在の主流である、只々延命を追い続ける医療が国民のニーズに合っているかは議論のあるところだ。そこには質も伴っているか?と言う問題も別に提起されている。確かにOECD諸国の中では中位にあり、効率的処理されている。これには国民性もあり、現役世代が高齢者を支えることに抵抗感を示さなかったほか、高度経済成長による経済の右肩上がりの成長に伴い、社会保障制...