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薬食審・第二部会 8製品の承認了承 尿路上皮がんに対するADCパドセブなど

公開日時 2021/09/07 11:46
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は9月6日、新薬8製品の承認を了承した。アステラス製薬が申請したがん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに使用する抗体薬物複合体(ADC)で、優先審査の対象になったパドセブ点滴静注用(一般名:エンホルツマブ ベドチン)や、ファイザーが申請した小児のアトピー性皮膚炎(AD)にも使用可能な経口JAK阻害薬サイバインコ錠(アブロシチニブ)が含まれる。正式承認は9月中となる見通し。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

サイバインコ錠50mg、同錠100mg、同錠200mg(アブロシチニブ、ファイザー):「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。最適使用推進ガイドライン(GL)作成対象品目。 

ヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリー(JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2)のうち、主にJAK1を阻害する低分子化合物。ADの適応を持つ経口JAK阻害薬としては、オルミエント錠(バリシチニブ)、リンヴォック錠(ウパダシチニブ水和物)に続く3剤目だが、12 歳以上の小児適応を有するのは、リンヴォックに続き2剤目。

AD適応に関して、サイバインコの用法・用量は「通常、成人及び12歳以上の小児には、100mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて200 mgを1日1回経口投与することができる」。

対して、リンヴォックの用法・用量は「通常、成人には15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。通常、12歳以上かつ体重30kg以上の小児には15mgを1日1回経口投与する」となっている。

サフネロー点滴静注300mg(アニフロルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

I型インターフェロン(IFN)α受容体のサブユニット1に結合するヒトIgG1κモノクローナル抗体で、Ⅰ型IFNシグナル伝達を阻害する。全身性エリテマトーデス(SLE)患者の大部分ではⅠ型IFNシグナル伝達が制御されず、Ⅰ型IFN誘導遺伝子発現(IFNGS)の亢進が認められ、その亢進はSLEの疾患活動性及び重症度と相関するとされている。

リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mg(リツキシマブ(遺伝子組み換え)、全薬工業):「全身性強皮症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

抗CD20モノクローナル抗体。全身性強皮症(SSc)患者でB細胞の機能異常が報告されていることなどから、CD20陽性B細胞を傷害する本薬の治療効果が期待され、日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業による医師主導治験として臨床開発が進められた。

タブネオスカプセル10mg(アバコパン、キッセイ薬品):「顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

経口投与可能な低分子の選択的補体C5a受容体拮抗薬であり、C5aの作用を阻害する。補体カスケードを標的とした初の顕微鏡的多発血管炎(MPA)及び多発血管炎性肉芽腫症(GPA)治療薬となる。

ライアットMIBG-I131静注(3-ヨードベンジルグアニジン(131I)、富士フイルム富山化学):「MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。 

副腎髄質ホルモンのノルアドレナリン(NA)に類似した構造を有する 3-ヨードベンジルグアニジン(MIBG)のヨウ素原子を放射性同位体(131I)に置換した 131I-MIBG を有効成分とする放射性医薬品。主にNAトランスポーターを介した再摂取機構(uptake-1)により腫瘍細胞内に取り込まれ、131I から放出されるβ線により細胞を傷害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組み換え)、小野薬品):「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。最適使用推進 GL 作成対象品目。

承認申請は、国立がん研究センター中央病院で実施された医師主導治験(PENGUIN試験)の結果に基づいて行われた。成人の古典的ホジキンリンパ腫に対しては16年12月に承認されている。なお、小児患者に対する現在の治療選択肢として、アドセトリス点滴静注用(ブレンツキシマブ ベドチン)、多剤併用化学療法などがある。

パドセブ点滴静注30mg(エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組み換え)、アステラス製薬):「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。優先審査品目。

ADCであり、ネクチン-4 に対する IgG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体と微小管重合阻害作用を有するモノメチルアウリスタチンE(MMAE)が、リンカーを介して共有結合している。腫瘍細胞の細胞膜上に発現するネクチン-4 に結合し、細胞内に取り込まれた後にプロテアーゼによりリンカーが加水分解され、遊離した MMAE がアポトーシスを誘導することなどにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 

用法・用量は「通常、成人には1回1.25mg/kg(体重)を30 分以上かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。ただし、1回量として125 mgを超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量する」。

1次治療における有効性及び安全性は確立していない。

メグルダーゼ静注用1000(グルカルピダーゼ(遺伝子組み換え)、大原薬品):「メトトレキサート・ロイコボリン救援療法によるメトトレキサート排泄遅延時の解毒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

メトトレキサート(MTX) のカルボキシ末端のグルタミン酸残基を加水分解する遺伝子組換えタンパクであり、MTXを加水分解することにより、血中の MTX 濃度を低下させると考えられている。

MTX・ロイコボリン(LV)救援療法の適応となる疾患((1)急性リンパ芽球性白血病(2)骨肉腫などの肉腫(3)マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫などの悪性リンパ腫(4)髄芽腫などの脳腫瘍―など)のうち、MTX排泄遅延が認められた患者が投与対象となる。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ノクサフィル錠100mg、同点滴静注300mg(ポサコナゾール、MSD):「侵襲性アスペルギルス症の治療」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余(2028年1月22日まで)。

アゾール系抗真菌薬であり、エルゴステロールの生合成を阻害することで、抗真菌活性を示す。深在性真菌症の代表的な原因真菌の一つであるAspergillus(アスペルギルス)属による感染症をアスペルギルス症といい、このうち疾患の進行が速く、急速に肺中に進展する病型を侵襲性アスペルギルス症という。国内年間推定患者数は約4200人(2017年)。
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