アッヴィ 抗体製剤スキリージ、中等症から重症のクローン病の適応追加を申請
公開日時 2021/11/15 04:49
アッヴィは11月12日、ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤スキリージ(一般名:リサンキズマブ(遺伝子組換え))について、成人の中等症から重症のクローン病の適応追加を申請したと発表した。今回の申請は、クローン病に対して、静脈内投与による寛解導入療法と、皮下投与による維持療法を行うもの。現在は皮下注製剤のみ承認されている。
申請は、複数の第3相国際共同試験から得られた結果に基づく。ADVANCE試験は、クローン病患者を対象に、リサンキズマブ静脈内投与による2つの用量(600mg及び 1200mg)のうち、いずれかの用量にて寛解導入療法を行った。主要評価項目の12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善の達成率は、プラセボ群と比較して有意に高かったという。
ADVANCE試験の後に行われたFORTIFY試験は、リサンキズマブ寛解導入療法により臨床的改善がみられた患者を対象に、無作為にプラセボ群またはリサンキズマブ(180mg及び360mg)による維持療法群に割り付けた試験。主要評価項目の1年時(52週時)の臨床的寛解および内視鏡的改善を達成した患者の割合は、プラセボ群と比較して、リサンキズマブ360mgの皮下投与を受けた群で有意に高い結果だったとしている。
両試験の各用量でのリサンキズマブの安全性プロファイルは、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルと「概ね一致していた」としている。
リサンキズマブは、インターロイキン-23(IL-23)のサブユニットp19に結合し、IL-23を選択的に阻害するヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤。日本では現在、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症――で承認されている。