塩野義製薬の新型コロナ治療薬候補・ゾコーバ錠 緊急承認の可否、11月22日に公開で再審議へ
公開日時 2022/11/15 04:48
厚生労働省は、塩野義製薬の新型コロナ治療薬候補・ゾコーバ錠の緊急承認について、11月22日に開く薬食審・薬事分科会及び医薬品第二部会の合同会議で、公開で再審議する。11月14日、同省が発表した。
緊急承認制度は、安全性が確認され、有効性が「推定」された場合に緊急承認する制度。7月20日の合同会議では、ゾコーバの第2/3相臨床試験(T1221試験)のうち軽症/中等症患者を対象とした第2b相パートの結果をもとに緊急承認の可否を審議したが、「有効性が推定できないのではないか」など否定的な意見が相次ぎ、継続審議となった
(記事はこちら)。その後、塩野義製薬は同試験の第3相パートで得られたデータを規制当局に提出し、再び審議することになった。
塩野義製薬は第3相パートの速報結果を9月28日に発表している
(記事はこちら)。それによると、新型コロナの軽症/中等症患者について、重症化リスク因子の有無にかかわらず、主要評価項目としたオミクロン株に特徴的な5症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさまたは発熱、けん怠感 (疲労感))が消失するまでの時間(発症前の状態に戻るまでの時間)をプラセボと比較して約24時間短縮し、統計学的に有意な症状改善効果を確認した(P=0.04)。症状消失までの時間の中央値は、同剤の申請用量投与群で167.9時間、プラセボ群で192.2時間だった。
ゾコーバ(一般名:エンシトレルビル フマル酸、開発コード:S-217622)は、塩野義製薬と北海道大学の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、同錠は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制するとされる。
日本政府は塩野義製薬との間で、承認後速やかに100万人分を購入する基本合意を締結している。