参天製薬 エピナスチン塩酸塩の眼科用クリームを申請 眼周囲に塗布するアレルギー性結膜炎治療薬
公開日時 2023/03/29 04:50
参天製薬は3月27日、エピナスチン塩酸塩(一般名、開発コード:STN1011402)の眼科用クリームを承認申請したと発表した。1日1回眼周囲(上下眼瞼)に塗布するアレルギー性結膜炎治療薬で、エピナスチン塩酸塩0.5%を含有する。2023年3月時点でこのようなタイプのアレルギー性結膜炎治療用クリーム剤はなく、承認されれば世界初の治療薬となる可能性がある。
アレルギー性結膜炎の治療は、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の点眼薬が多く使われており、それらは1日2回又は4回の点眼が必要となる。今回申請した1日1回塗布の眼科用クリーム剤は、患者の日中点眼の負担を解消することができ、塗布する際には直接投与部位に触れるため、小児など自身での点眼動作が難しく、介助が必要な患者においても扱いやすい剤形となる。
同社は、「点眼薬を中心とするアレルギー性結膜炎治療に、眼科用クリームという新たな剤形の選択肢を提供できる可能性がある」としている。有効性は、国内で実施した臨床試験でアレルギー性結膜炎の主症状である眼そう痒感および結膜充血を抑制することが確認された。また、重篤な副作用は眼局所、全身ともに認められていないという。
エピナスチン塩酸塩は75年にベーリンガーインゲルハイム社により創製され、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、さらに肥満細胞からの化学伝達物質の遊離抑制作用を有している。