MSD キイトルーダ、HER2陰性の胃腺がん・食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用療法を申請
公開日時 2023/05/17 04:48
MSDは5月12日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体・キイトルーダについて、HER2陰性の胃腺がん又は食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用療法を一変申請したと発表した。
今回の申請は、国際共同第3相試験であるKEYNOTE-859試験の結果に基づく。同試験は、HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がん又は食道胃接合部腺がんの患者に対する1次治療として、キイトルーダと化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤)の併用療法をプラセボと化学療法の併用療法と比較したもの。キイトルーダと化学療法の併用療法では主要評価項目である全生存率(OS)の有意な改善が示された。安全性プロファイルは、これまでに報告されている臨床試験と同様だった。
胃がんは日本で3番目に多いがんで、がんの死因でも第3位。19年には約12.4万人が新たに胃がんと診断され、20年には約4.2万人が亡くなっている。胃がんは進行してから発見されることも少なくない。胃がんのほとんどは腺がんで、胃粘膜の中にある胃液を分泌する腺細胞から発生する。食道胃接合部腺がんは、食道と胃の境目に発生する腺がんで、近年増加している。IV期の胃がんと診断された患者の5年相対生存率は6.2%で、新たな治療法の開発が求められている。