ヴィアトリス製薬 システアミン塩酸塩点眼液を承認申請 希少疾病用医薬品
公開日時 2023/09/22 04:50
ヴィアトリス製薬は9月21日、「シスチン症患者の角膜に蓄積したシスチン結晶沈着物の溶解」の治療薬として、システアミン塩酸塩点眼液を承認申請したと発表した。厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。同点眼液は、同社が製造販売している経口投与の腎性シスチン症治療薬・ニシスタゴンカプセル(一般名:システアミン酒石酸塩)と有効成分が異なるため、申請区分は新有効成分含有医薬品となる。製品名もニシスタゴンとは異なる名称になる予定。
システアミン塩酸塩点眼液は、日本先天代謝異常学会およびシスチノーシス患者と家族の会から厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の要望募集」に開発要望が出されたものだが、ヴィアトリス製薬は既に開発に取り掛かっていたため、厚労省から開発要請はされていない。
シスチン症は、様々な細胞に存在するリソソームへのシスチンの蓄積により発症する稀な常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症。腎、眼球、骨髄、リンパ節など全身の組織においてリソソーム内にシスチンが蓄積することにより細胞障害が生じる。3つの病型に分類されるシスチン症において、最も重症で大部分を占める腎障害型では2歳ごろまでにシスチン結晶が眼球角膜に沈着し、痛みや眩しさを引き起こす。これを無治療で放置した場合、角膜のシスチン結晶は様々な眼症状による視力障害を引き起こし、失明に至るリスクがある。日本国内の患者数は18年5月時点で10数名とされる。