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自維・社会保障協議体 高齢者窓口負担「原則3割の現役との間で公平な応能負担」 改革13項目の骨子合意

公開日時 2026/07/08 04:51
自民党と日本維新の会の与党社会保障協議体は7月7日、社会保障制度改革に関する具体的な骨子を取りまとめ、両党で合意した。焦点となっていた高齢者の医療費窓口負担割合については、「低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提」とした上で、「原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う」と明記。改革工程表を2026年末までに策定するとした。中医協改革については「創薬機能の強化の観点から、26年度末までに社会保険医療協議会法の改正を含め、製薬、医療機器及び卸等の産業界の法令上の位置づけを明確化するよう結論を得る」ことを盛り込んだ。両党はこの内容の一部を骨太方針2026に反映させ、26年度中に具体的な制度設計を行う方針を確認した。

◎70歳以上の高齢者医療費の窓口負担割合 「低所得者の受診確保への配慮を前提」

両党は連立合意に基づく社会保障改革13項目の中間的な骨子を取りまとめた。焦点となった「医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現」の項目では、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、「低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う」とし、改革工程表を26年末までに策定することも明記した。

その際、「高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得が多いといった家計の状況等も踏まえ、必要な受診が確保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引き上げなど窓口負担の抜本的な見直しについて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担のあり方とともに総合的に検討を行い、その速やかな実現について26年末までに一定の結論を得る」とした。

◎維新主張の「原則3割」への直接的な言及至らず 維新・梅村調査会長「まず第一歩」

高齢者医療費の窓口負担割合については、維新がこれまで主張してきた「原則3割」への直接的な言及には至らなかった。合意後の会見で維新の梅村聡社会保障制度調査会長は「(高齢者の負担能力を踏まえて)どこまで求めていくことができるのかという点で、まず第一歩を踏み出す合意になった」と説明。骨子で公費負担のあり方にも言及した点に触れ、「公費負担をある程度保証していくことで現役世代の保険料を制御していきたい。この言葉が入ったことは非常に重い」と述べた。

斎藤アレックス政調会長は維新の政調全体会議後に記者団の取材に応じ、「所得によって能力に応じて負担の在り方を決めていくということであり、紛れもなく(高齢者の医療費負担)原則3割という旗が掲げられているものだ。その理解に基づいて、今後の工程策定にあたっては、原則3割を目指してしっかりと交渉していきたい」と強調した。

◎中医協改革 創薬力強化の観点で「産業界の法令上の位置づけ明確化へ結論を得る」

一方、中医協改革については、 「データに基づく客観的かつ合理的な診療報酬決定プロセスを確立するため、中央社会保険医療協議会の機能を見直す」と明記。具体的には、「病院機能の強化の観点から、日本社会の各種医療機能を適切に反映した形での委員構成の見直しを含めた検討を行う」とし、「創薬機能の強化の観点から、26年度末までに社会保険医療協議会法の改正を含め、製薬、医療機器及び卸等の産業界の法令上の位置づけを明確化するよう結論を得る」ことを盛り込んだ。また、「患者の声の反映及びデータに基づく制度設計の観点から、情報分析体制の強化や、医療経済系学会からの直接的な技術評価提案を可能とする制度設計を検討する」とした。

◎社会保障負担率は「目標の検討」進める 医療給付費の対GDP比は“参照”に留まる

医療版マクロ経済スライドについては、「保険財政健全化策推進(インフレ下での医療給付費の在り方と、現役世代の保険料負担抑制との整合性を図るための制度的対応)」として、「経済・物価動向等に適切に対応し、安心して医療・介護・福祉サービスを受けられる体制を整備することとあわせて、医療・介護を中心とした社会保障制度改革を着実に実行することにより、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」と明記。その上で、「骨太方針2025と同様、経済・物価動向等を踏まえ、的確な対応を行いつつ、これまでの歳出改革努力を継続し、27年度の社会保障負担率が25年度と比較して上昇しないよう取り組む」とした。

また、「社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障負担率の目標の検討」を進めると明記。合わせて、「社会保障改革について26年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」とし、「特に、高齢化や高度化等への対応が必要な医療給付費については、経済が成長し賃上げが継続する『強い経済』の構築に向けた取組を進める中で、診療報酬に経済・物価動向等を基本的に反映しつつも、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸びとの関係などを参照しつつ、医療費適正化計画の次期改定に向けて抜本的な見直しを行うことを含め、改革を継続する」と盛り込んだ。

このほか、医療介護分野における保険者の権限及び機能の強化並びに都道府県の役割強化、▽年齢に関わらず働き続けることが可能な社会を実現するための「高齢者」の定義見直し、▽人口減少下でも地方の医療介護サービスが持続的に提供されるための制度設計▽国民皆保険制度の中核を守るための公的保険の在り方及び民間保険の活用に関する検討、▽大学病院機能の強化、▽高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善、▽配偶者の社会保険加入率上昇及び生涯非婚率上昇等をも踏まえた第3号被保険者制度等の見直し、▽医療の費用対効果分析に係る指標の確立▽医療機関の収益構造の増強及び経営の安定化を図るための医療機関の営利事業の在り方の見直し、▽医療機関における高度医療機器及び設備の更新等に係る現在の消費税負担の在り方の見直し―の各項目でも具体的な骨子を合意事項として明記した。

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