厚労省 新たな重大な副作用などで医療用薬3製品の添付文書改訂を指示 抗凝固薬プラザキサで急性肝不全
公開日時 2017/09/13 03:51
厚労省医薬・生活衛生局は9月12日、新たな重大な副作用などが判明した医療用医薬品3製品の添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知で指示した。
改訂指示のあった薬剤と指示内容は以下のとおり(カッコ内は成分名、会社名)。
▽プラザキサカプセル(ダビガトランエテキシラー トメタンスルホン酸塩、日本ベーリンガーインゲルハ イム)
指示概要:「重大な副作用」に「急性肝不全、肝機能障害、黄疸」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):1例(死亡例なし)
薬効分類:333 血液凝固阻止剤
▽シナジス筋注液(パリビズマブ(遺伝子組換 え、アッヴィ)
指示概要:「重大な副作用」に「血小板減少」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):1例(死亡例なし)
薬効分類:625 抗ウイルス剤
▽フェロン注射用(インターフェロン ベータ、東レ)
指示概要:「用法・用量に関連する使用上の注意」の「C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)に「投与期間は34~36週間(総投与量として39,900万国際単位)とする」を追記。
薬効分類:639 その他の生物学的製剤
PMDAの資料によると、同剤は、C型代償性肝硬変の一変承認審査の過程で、高ウイルス 量の患者で本剤投与終了後 6か月目のHCV-RNA陰性化率が低かったことについて、減量・中止・休薬・投与再開基準を設定することで、600万 IU(国際単位)/日の投与期間延長は可能で、それにより難治である高ウイルス量の患者に対してもHCV-RNA陰性化率の向上が期待できると指摘されていた。
そこで▽総投与期間及び600万 IU/日の投与期間を延長したときの有効性及び安全性▽減量・投与中止基準の妥当性ーーの検討を目的に製造販売後臨床試験が実施した結果、600 万IU/日の投与期間を延長した場合において有効性の明らかな向上は示されなかった。よって600万IU/日の通常の投与期間は現行のまま「1週間」とした。
そのうえで、総投与期間については、有害事象又は副作用により減量又は投与間隔が延長された症例の割合及び投与中止された症例の割合が少なかった「34〜36週間(総投与量として39,900 万 IU)」を追記することにした。