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医療用薬12製品 効能追加などで承認 テセントリク、免疫療法初のトリプルネガティブ乳がん適応取得

公開日時 2019/09/24 03:50
医療用医薬品12製品が9月20日、効能・効果の追加などの承認を取得した。この中には、中外製薬の抗PD-L1抗体テセントリクについて、免疫チェックポイント阻害薬として国内初となるPD-L1陽性トリプルネガティブ乳がんの承認取得が含まれる。この新適応に併せて新たに840mg製剤も承認された。中外はこの日、840mg製剤について、厚労省が定める保険外併用療養費制度のもと薬価収載前の無償提供を行うと発表した。

このほか、骨粗鬆症治療薬フォルテオ、抗がん剤アバスチン、腎性貧血薬ネスプ、抗がん剤リツキサン――の各バイオミラーも承認された。

承認された製品は以下のとおり(カッコ内は一般名、申請企業名)。

テセントリク点滴静注840mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」の新効能・新用量を追加。これに伴い、840mgの新剤形も追加。再審査期間は残余(2026年1月18日まで)。
アブラキサン点滴静注100mg(パクリタキセル、大鵬薬品):テセントリクの乳がん適応との併用に伴い、用法・用量を追加。再審査期間なし。

テセントリクはがん免疫療法薬で、抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体。今回の効能追加により、テセントリクは、がん免疫チェックポイント阻害薬として、国内で初めてトリプルネガティブ乳がんに対する治療薬となった。

PD-L1発現状況の確認は、ロシュ・ダイアグノスティックスの病理検査用キット「ベンタナOptiView PD-L1 (SP142)」で行う。同キットはテセントリクのPD-L1 陽性の乳がんの適応判定を補助するコンパニオン診断として、8月20日に適応拡大の承認を取得している。

アービタックス注射液100mg(セツキシマブ遺伝子組換え、メルクバイオファーマ):現在の効能・効果である「EGFR 陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を、「RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に改める。同剤は抗ヒトEGFRモノクローナル抗体。

ベンリスタ点滴静注用120mg、400mg(ベリムマブ(遺伝子組換え)、グラクソ・スミスクライン):効能・効果の「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」に5歳以上の小児の用法・用量を追加する。再審査期間は残余(2025年9月26日まで)。

同剤は全身性エリテマトーデス(SLE)の発病に関与するとされている因子、可溶型Bリンパ球刺激因子(BLyS)を標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体。可溶性Bリンパ球刺激因子に結合し、生物活性を阻害することを通じ、SLE患者の疾患活動性を低下させる。

アレジオンLX点眼液0.1%(エピナスチン塩酸塩、参天製薬):「アレルギー性結膜炎」を効能・効果とする医薬品で、既承認のアレジオン点眼液0.05%の高用量製剤。再審査期間は残余(19年9月19日まで)。

ヒスタミンH1受容体拮抗薬。既承認のアレジオン点眼液の濃度を2倍にすることで、投与回数は既存薬の1日4回から2回に減る。患者の利便性とアドヒアランス向上に貢献する。田辺三菱製薬と共同販促する。

テリボン 皮下注28.2μgオートインジェクター(テリパラチド酢酸塩、旭化成ファーマ):既存の効能・効果である「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」について、新たに28.2μgのオートインジェクター製剤を追加し、低用量での週2回投与を可能にする。再審査期間なし。

11年から販売しているテリボン皮下注用56.5μgと同じテリパラチド酢酸塩を含有する製剤。既承認の製剤は週1回の皮下注射で用いる。28.2μg製剤は1回投与量を現行製剤の半量とし、週2回の皮下注で用いる。半量となることから悪心、嘔吐などの副作用の発現が少なくなることが期待されるという。

テリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」(テリパラチド(遺伝子組換え)〔テリパラチド後続1〕、持田製薬):「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果とするバイオ後続品。先発品は日本イーライリリーのフォルテオ皮下注で、最初のバイオ後続品となる。

ベバシズマブBS点滴静注用100mg、400mg「第一三共」(ベバシズマブ(遺伝子組換え)〔ベバシズマブ後続2〕、第一三共):「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とするバイオ後続品。

抗がん剤アバスチンのバイオ後続品。米アムジェンにより開発されたもの。16年にアムジェンと第一三共が締結したバイオ後続品の商業化に関する独占契約に基づき、米アムジェンが製造し、第一三共が流通と販売を行う。

ダルベポエチンアルファBS注5μgシリンジ「JCR」、同10μg、同15μg、同20μg、同30μg、同40μg、同60μg、同120μg、同180μg(ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)〔ダルベポエチンアルファ後続1〕、JCRファーマ)
ダルベポエチンアルファBS注5μgシリンジ「三和」、同10μg、同15μg、同20μg、同30μg、同40μg、同60μg、同120μg、同180μg(ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)〔ダルベポエチンアルファ後続2〕、三和化学研究所)
ダルベポエチンアルファBS注射液5μgシリンジ「MYL」、同10μg、同15μg、同20μg、同30μg、同40μg、同60μg、同120μg、同180μg(ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)〔ダルベポエチンアルファ後続3〕、マイランEPD)
:いずれも「腎性貧血」を効能・効果とするバイオ後続品。

先発品は協和キリンのネスプ。協和キリングループからバイオセイム(バイオ医薬品のオーソライズドジェネリック)が登場しているが、これら3剤は初のバイオ後続品(BS)と位置付けられ、一般名は「後続1」「後続2」「後続3」となった。

リツキシマブBS点滴静注100mg、400mg「ファイザー」(リツキシマブ(遺伝子組換え)〔リツキシマブ後続2〕、ファイザー):「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎」を効能・効果とするバイオ後続品。

抗がん剤リツキサンのバイオ後続品。先発品は7つの効能・効果を持つ。

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