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中外製薬 発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬・クロバリマブを承認申請 皮下投与の抗補体C5抗体

公開日時 2023/06/15 04:48
中外製薬は6月14日、皮下投与の抗補体C5リサイクリング抗体・クロバリマブ(遺伝子組換え)について、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象疾患に承認申請したと発表した。

クロバリマブは同社のリサイクリング抗体技術を用いた自社創製品。一般的な抗体では、抗原に1回しか結合することができないのに対し、クロバリマブは繰り返し抗原に結合するよう改変することで、低用量で持続的な補体阻害が可能となり、4週ごとの皮下投与を実現している。クロバリマブは既存薬とは異なる部位でC5に結合するため、同社は、「既存の抗体医薬品が結合しない特定のC5遺伝子変異を有する患者さんにおいて有効な治療選択肢となり得る」としている。

今回の申請は、C5阻害薬による治療歴のないPNHを対象としたCOMMODORE2試験と、既存の補体阻害薬(エクリズマブ)からクロバリマブに切り替えたPNH患者を対象としたCOMMODORE1試験などの成績に基づく。いずれもロシュとの協働による国際共同第3相臨床試験で、日本からも参加している。

同社の奥田修社長CEOは、「PNHに対する標準治療である抗補体C5抗体として、クロバリマブは皮下投与による新たな価値の提供を目指す」とし、「維持期において、4週に1回の投与間隔で良好な有効性と安全性が示されており、投与時間の低減など患者さんの治療負担を軽減する新たな治療のオプションとなり得る。本剤をいちはやく患者さんにお届けできるよう、当局と連携のうえ引き続き取り組んでいく」とコメントしている。

PNHは国の指定難病で、PIG-A遺伝子に後天的に変異が生じた造血幹細胞がクローン性に拡大することにより、自己補体による血管内溶血を生じる造血幹細胞疾患。ヘモグロビン尿、血栓症などPNH特有の溶血に起因する症状と、再生不良性貧血と同様の造血不全症状の二面性を持つが、症状は患者により異なる。合併症として慢性腎臓病、肺高血圧症などを併発する場合がある。PNHの2021年度末の医療受給者証保持者数は959人。
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