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バイオジェン・ジャパン SOD1遺伝子変異を有する成人ALS治療薬・トフェルセンを承認申請

公開日時 2024/05/22 04:48
バイオジェン・ジャパンは5月21日、希少な遺伝型ALSである、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子変異を有する成人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬・トフェルセンを承認申請したと発表した。承認されれば、トフェルセンは運動ニューロン疾患(MND)としても知られるALSの中のSOD1遺伝子変異を有するSOD1-ALSに対し、遺伝的原因を標的とする国内初の治療薬となる。 

SOD1-ALSの患者は、身体にSOD1遺伝子変異によるSOD1タンパク質の有害な誤った折り畳みを生じる。この有害なタンパク質が運動ニューロンの変性を発現させ、進行性の筋力の低下、機能の喪失、最終的には死亡を招く。SOD1遺伝子変異は、全世界のALSの推計罹患者数16万8000人の約2%に関わっているとされる。なお、ALSの発症には複数の遺伝子が関わっており、遺伝子検査により、ALSの家族歴がなくても遺伝子変異に関係するタイプのALSであるか判断することができる。

トフェルセンはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)で、SOD1タンパク質の生成を抑制するために、SOD1mRNAに結合するように設計されている。

米国で2023年4月に迅速承認されたこともあり、日本ALS協会や関係学会からも日本での早期承認を求める声があがっている。同社の傳幸諭代表取締役社長は今年1月のミクスのインタビューで、年内に承認申請する計画を明らかにするとともに、「早期承認を求める声をいただいており、当社としてもしっかり取り組みたい」と話していた。

◎武見厚労相「迅速に審査を進め、有効性・安全性が確認されれば速やかに承認したい」

トフェルセンの早期承認に関しては、今年2月14日の衆院予算委員会でドラッグ・ラグ/ロス問題への政府対応に関連して話題に上がった。自民党の上野賢一郎衆院議員の質問に対し武見敬三厚労相は、「現在、日本法人が日本での薬事申請に向けてPMDAと相談を行っていると承知している」とし、「トフェルセンについては企業から承認申請がなされた場合、PMDAにおいて迅速に審査を進め、有効性・安全性が確認されれば速やかに承認してまいりたい」と答弁した。
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