ファーマエッセンシアジャパン ベスレミ皮下注、本態性血小板血症の適応追加を一変申請
公開日時 2025/09/26 04:47
ファーマエッセンシアジャパンは9月22日、抗がん剤・ベスレミ皮下注(一般名:ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え))について、本態性血小板血症(ET)の適応追加を一変申請したと発表した。ベスレミは2023年に、「真性多血症(既存治療で効果不十分又は不適当な場合に限る)」を効能・効果に承認されている。
本態性血小板血症は、血液中の血小板数が過剰に増殖する骨髄増殖性腫瘍の一種。日本国内の患者数は約3万人と推定されている。血小板の異常な増殖により、頭痛、めまい、肢端紅痛症などの微小循環障害や、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症、止血機能異常による出血などが現れることがあり、一部の患者は骨髄線維症や急性白血病に移行することがある。このため長期的かつ継続的な治療と経過観察が不可欠とされる。
今回の一変申請は、本態性血小板血症患者に対するベスレミの有効性及び安全性を検証することを目的として実施された、国際共同第3相臨床試験(SURPASS ET試験)の結果に基づく。同試験は、日本人を含む174人の本態性血小板血症患者を対象に、世界8か国で実施された。試験の結果、主要評価項目である持続的奏効率は、ベスレミは対照薬アナグレリドと比較して統計学的に有意な改善を示した。安全性も「良好なプロファイルを示した」という。
ベスレミは、長時間作用型モノペグ化プロリンインターフェロン。ファーマエッセンシアのコアテクノロジーである「部位選択的モノペグ化技術」は、タンパク質分子内の特定のアミノ酸をポリエチレングリコール(PEG)という高分子化合物によって選択的に修飾できるようにした技術で、化学的に均一な「ペグ化タンパク質」の合成を可能にした。このペグ化によってタンパク質医薬の体内における分解が抑制され、半減期の延長と長時間にわたる効果の持続につながり得る薬物動態/薬力学的特性を示す。